七人の侍

すごかった。もう言葉にできんくらい、すごい映画じゃった。黒澤監督が天才といわれる理由がわかった。もうすごいですわ。
まず、迫力。あの時代、限られた機材であの迫力ある映像をとったのは神。何十分も続く戦のシーンも飽きる事がない。これでもかこれでもかと、ぶちのめされた。何もかもが素晴らしい。
そして登場人物のキャラクター。菊千代は言う事なし。三船さん、ほんま日本の宝じゃね。あの濃いキャラを見事に演じている。他にも、菊千代を紹介したり百姓の助け舟となった人足役だったり。勝四郎が久蔵に送る尊敬のまなざしなんて、現代の俳優達には無理なんじゃないかっていうほどの眼力。この映画にでている全ての登場人物が果たすべき役割を演じきっている。これも黒澤監督の力あってなんじゃなぁ。
絶対死んで欲しくなかった菊千代や他の侍達。それが容赦なく死んでいく。胸が痛くなる映画だったけど、これも映画の醍醐味。したたかな百姓を後にするラストなんて泣けてくる。刀の突き刺さった墓を見上げるシーンは涙もの。侍が百姓を苛める作品は多くとも、百姓が侍を(悪く言うと)利用する作品はそうない。あったとしても、こんな見事に立場逆転させる演出はできないだろうな。
全てが計算されており、ここに書ききれないほど、名シーン、名場面がある。一言一言に重みがある。何度見返しても、飽きる事はないだろう。
力溢れる名作。日本の宝だと思う。
とにかくDVDを買おう。一家に1本!

七人の侍(2枚組)<普及版> [DVD]

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